社会人が留学を考えるとき、最後に立ちはだかるのが「今の仕事をどうするか」という問題。
- 安定した収入を手放して、本当に大丈夫なのか。
- 周りにどう思われるのか。
- 帰ってきたとき、居場所はあるのか。
私も同じことで3年間迷い続けた経験があるので、皆さんの気持ち、よくわかります。
この記事では、社会人留学を検討する方から実際によくいただく6つの疑問に、経験者として答えていきます。
カウンセラー相馬私は26歳の時に新卒から勤めたゼネコンを辞め、フィリピンとカナダへ。その後オーストラリアとニュージーランドでのワーホリも経験しました。
私の場合、結論から言えば、辞めてよかったと思っています。
ただ、「みんな辞めるべきだ」とは思っていません。相談を受ける中で、「今は辞めないほうがいい」とお伝えすることももちろんあります。
なので今日は、いいことも悪いことも両方書いていきたいと思います。
疑問1:社会人になってから、英語の勉強は遅くないですか?


遅くありません。むしろ社会人になってからの留学のほうが伸びる、というのが私の実感です。
学生時代の私は勉強が得意ではなく、社会人になってからの資格の勉強も続かない。そんな人間でしたが、留学中は朝から晩まで、多い時には1日に10時間以上勉強しても苦になりませんでした。
理由は2つあります。
①目的がはっきりしていたから
学生の頃と違い、「英語を使って何をしたいか」が見えていたので、その目標に向かってひたすら走ることができました。
②仕事よりずっと楽しくて充実していたから
こう聞くと少し意外かもしれません。多忙な業務に追われる日々に比べれば、1日を丸ごと自分のために使えるのは贅沢そのものでした。社会人経験があるからこそ分かる感覚です。
実際、現地で出会ったのも20代後半から30代の方が中心でした。結果として、渡航時500点台だったTOEICは帰国前に905点まで上がりました。
年齢よりも、目的があるかどうかです。
疑問2:現地での生活は、想像どおりでしたか?


想像どおりだったことと、違ったことがあります。
想像通りだったこと
まず、思っていた以上に良かった。
世界中から来た人たちと、同じ教室で学び、同じ家で暮らす。国も年齢も職業もバラバラなのに、「英語を身につけたい」という一点で自然に打ち解けられます。
日本では出会えない、異なる文化やバックグラウンドを持つたくさんの人々と出会ったことで、たくさんの学びや価値観が広がっていく感覚がありました。
想像と違ったこと
ワーホリ生活は、思った以上に地味でもありました。
渡航前に想像していたのは、充実してキラキラした海外生活。しかし実際は、ひたすら毎日仕事と家の往復。休みの日は家か図書館でひとりで勉強。
孤独を感じることも多く、英語力も伸びているのかわからず、落ち込むこともたくさんありました。SNSで見るように毎日がきらびやかな生活、というわけではなかったのです。
ワーホリは「海外で暮らして生活」すること。良いこともあれば、そうでないこともあります。
ただ、私の感覚としては、良かったことの方が圧倒的に多かったかなと思っています。
疑問3:周りに「置いていかれる」不安はありませんでしたか?


これはもちろんありました。
現地にいると、日本の友人たちの近況がSNSで流れてきます。昇進、結婚、出産。どんどん人生をステップアップしている様子が、嫌でも目に入ってくるのです。
自分は異国で、学生のような生活をしている。焦りを感じないと言えば嘘になります。
ただ、帰国してから友人と話した時に言われたのは、



「海外で好きなことをやっている姿が、こちらからは羨ましく見えていた。」
つまりお互いに、相手の芝生を眺めていたわけです。
キャリアに正解はありませんし、比較したところで何も生まれません。
それでも人間は比べてしまうので、比較の対象を「同期」ではなく「過去の自分」に置き換える。 1年前の自分より確実に成長していることに気づけば、必要以上に不安を感じることもなくなります。
疑問4:英語力は、本当に伸びましたか?


伸びました。
渡航時はTOEIC500点台前半で会話もほぼできませんでしたが、帰国前に905点を取得しています。
- フィリピン(2ヶ月):マンツーマン中心に1日7コマ。とにかく話す量を確保
- カナダの語学学校(2ヶ月):ディスカッションとプレゼン中心。「英語で学ぶ」環境へ
- ワーホリ(8ヶ月):職場でネイティブの表現を盗み、その日のうちに使う
- TESOL講座(1ヶ月):教える側に立ち、正確さを鍛える
- 帰国前(1ヶ月):TOEIC対策に集中。現地の模試も受験
1年2ヶ月で、基礎 → 実践 → 現場 → 精度 → 試験対策を最短ルートで実施できたことが、英語力アップにつながりました。
そして最も効いたのは、渡航前に「帰国までに900点」と数字で決めていたこと。 伸びを実感できない時期が必ず来ますが、目標があると踏みとどまれます。
「なんとなく1年」と「目標を決めた1年」では、着地点がまったく変わります。
疑問5:帰国後の就職は、大変ではありませんでしたか?
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インターネット上には「社会人のワーホリは遊び」「職歴に空白ができる」といった情報があふれています。渡航前の私は、それを一番恐れていました。
ところが実際には、ワーホリでの経験を評価してくれる企業はちゃんとありました。そして結果的に、希望の職種に就くことができました。
ただし、行けば誰でもそうなるという話ではありません。
面接では、ほぼ間違いなくこの質問を受けます。「なぜ会社を辞めて留学したのですか」と。
| 回答の例 | どう受け取られるか |
|---|---|
| 「英語を身につけたかったからです」 | 目的が曖昧に映り、空白期間と判断されやすい |
| 「◯◯の仕事に就くために、必要な英語力を最短で取りに行きました」 | 目的意識と計画性が伝わり、実績として評価される |
私の場合、面接で評価されたのはTOEICのスコアそのものよりも、目標を設定し、期限内に到達したというプロセスの部分でした。
つまり、留学はキャリアの空白ではありません。説明ができれば、実績として扱われます。
【重要】渡航前に確認してほしい3つのこと
私自身の経験と、過去のご相談から見えてきた共通点をお伝えします。
1. 目的を「英語力アップ」だけにしない
英語は手段であって、目的にはなりません。目的が英語力の向上だけの場合、現地でモチベーションを保つのが難しくなります。
一方で、「英語を使って何をしたいか」まで描けている方は、壁にぶつかっても立て直せます。 そこが戻る場所になるからです。
「どこまで伸びるか分からないのに、その先は考えられない」と思われるかもしれません。そこは強気で構いません。帰国時にTOEIC800〜900点を取得している自分を前提に、その状態で何をしたいかを考えてみてください。
2. 期限と目標を、判定できる形にする
私の場合は「約1年でTOEIC900点」でした。
留学もワーホリも、想像されているほど華やかなものではありません。孤独も、焦りも、伸び悩みも、必ずやってきます。
そのときに踏みとどまらせてくれるのが、明確な目標です。ポイントは、達成できたかどうかを自分で判断できる形にしておくこと。 スコアでも構いませんし、「現地でこの職種に就く」といった内容でも構いません。
3. 帰国後に「語れること」を、出発前にイメージしておく
疑問6でお伝えした面接での回答のように、渡航前にこの答えをイメージしておくと、留学中の1年の使い方そのものが変わります。
- ○○の期間でこれだけ英語力をアップさせました
- こんな仕事に挑戦して、ここまでの実績をあげました
- 留学生の立場で分かった〇〇という問題を解決するため、こんな計画を実行しました
ポイントは、帰国後の就職活動で活かせるような経験を、できるだけたくさん作りに行くこと。



実際の経験者に話を聞く、というのも有効な方法ですよ!
まとめ
私は退職を決めるまでに3年かかりました。その時間が無駄だったとは思っていません。
ただ、当時の自分に本当に必要だったのは、悩む時間ではなく情報でした。
どのくらいの期間で、どこまで到達できるのか。費用はいくら必要なのか。実際に行った人は、その後どうなったのか。
これらを知っていれば、決断はもっと早かったはずですし、決めた後の不安もずっと小さかったはずです。
判断をする前に、まず知ること。 情報が揃えば、自分で納得して選べるようになります。
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